今の給料じゃ将来が不安だな・・・
このまま今の職場で働いていてもいいんだろうか・・・
このように、理学療法士の方で給与面の不満やご自身のキャリアプランについて悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
現在、厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査 / 令和2年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」を参考にすると令和2年のリハビリ職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士を含む)の平均年収は・・・
33.5歳で約427.9万円となります。
整形外科クリニックの年収のベースは370~450万円前後が水準で他のリハビリ分野より4%程高いと言われていますが・・・
年収600万円はリハビリ業界では高い水準ですので、達成するには工夫が必要です。
今回の記事は理学療法士が整形外科クリニックで年収600万円稼ぐための施策について解説していきます。
(※この記事は2022年現在クリニックのリハビリ室責任者で年収600万円以上の理学療法士が執筆しています。)
特に、今クリニックで働いている方は是非参考にしてみて下さい。
どんな人材だったら年収600万円払っても良いですか?
Q:あなたがクリニックの経営者だったらどんな人材に喜んで年収600万円払いますか?
まず経営者の視点で採用したい人材を考えて見ましょう。
どんな能力のある方が該当するか上げてみると・・・
#臨床能力
#診療報酬の知識
#コミュニケーション能力
#チームワーク
#情報収集力、情報整理力
#指示・統率力
#管理職経験
ざっとこんな#(タグ)がついている人材でしょうか?
キャリアプランの作り方(キャリア・スキルの#タグ付け方法)についての記事はこちら
残念ながら、これからのPT業界でタグがついていない方は評価されません!
どうせ働くなら#(タグ)をGETしながら好条件へキャリアアップした方がいいですよね。
クリニックで年収600万円達成するためのキャリアプラン
目標を達成するためにキャリアの逆算してみましょう。
クリニックのリハビリ室責任者になり、年収600万円達成する。
⇩ ⇧
効率的で効果性の高いリハビリ室の流れ・仕組みを作る。
⇩ ⇧
後輩指導の経験からリーダーシップを学ぶ。
⇩ ⇧
クリニックで臨床経験を積む
(⇩キャリアを逆算 ⇧キャリアアップの手順)
トップダウンの発想ですね!
このようにキャリアを逆算して必要なタグ(経験・スキル・ポジション)をGETしていきます。
タグをGETするために、場合によっては転職も視野に入れていきます!
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クリニックで年収600万円達成戦略 管理職・オープニング求人を狙う
今の職場でなかなか、管理職のポストが空かない場合は・・・
転職して管理職につく道を考えていきましょう!
整形外科医が新しくクリニックを開業する際に100平方メートル以上のリハビリ室を併設するのが今のトレンドになっています。
つまり、クリニックを開業する先生はリハビリに力を入れる傾向にあります。
その時に開業医の先生はリハビリ室を任せられる人材を喉から手が出るほど獲得したいという思いがあります。
新規のクリニック立ち上げでリハビリ室の責任者のポジションになれれば年収600万以上が期待できます。
ちょっとハードルが高い気がするけど大丈夫かな・・・
ノウハウがあればできますよ!
私自身、4ヵ所のクリニックで働いてきたので、それぞれの職場での長所・短所と立ち上げノウハウを蓄積することができました。
その経験を活かして現在のクリニックのリハ室を立ち上げました。
クリニックのリハビリ室の立ち上げ方を紹介していきます。
立ち上げでリーダー職に就くには「立ち上げのノウハウ」と「リーダーシップ」が必要です。
クリニックのリハビリ室立ち上げのノウハウ
運動器リハビリテーションを立ち上げる際に必要な事を下記にまとめました。
- 運動器リハビリテーションに関する診療報酬制度を理解する
- 必要な環境、物品を用意する。
- 運動器リハビリの流れ、システムを作る
- 運動器リハビリテーションの注意点
- リハビリ運営に必要な数値管理項目
運動器リハビリテーションに関する診療報酬制度を理解する
1 運動器リハビリテーション料(I)(1単位) 185点
2 運動器リハビリテーション料(II)(1単位) 170点
3 運動器リハビリテーション料(III)(1単位) 85点
上記のように運動器リハビリテーションはⅠ~Ⅲ段階あり、各段階の基準を満たしている場合にのみ算定することができます。
運動器リハビリテーションに関する診療報酬制度についてはこちら(PT・OT・ST.NET)
必要な環境、物品を用意する。
・リハビリテーション室の広さは治療・訓練を十分に実施するためのスペースが必要になります。
(病院については内法による測定で100平方メートル以上、診療所については内法による測定で45平方メートル以上)
・リハビリを実施するために最低限の物品として
歩行補助具、訓練マット、治療台、砂嚢などの重錘、各種測定用器具等が必要になる。
その他に物理療法機器など医師と相談の上、導入していく。
またPC、電子カルテ、プリンター、リハビリ案内の説明書、リハビリテーション実施計画書・目標設定支援・管理シートの書式、予約券など細かい物品も含めて用意する。
運動器リハビリの流れ、システムを作る
リハビリを予約制で実施するのか?一人何単位で実施するのかといった「システム」と「流れ」が必要になります。
ここでは当院の「システム」と「流れ」を紹介します。
診察で医師がリハビリのオーダーを出す
PT・OTがオーダーが出た患者さんのリハビリを実施し、次回の予約を取る
予約枠が埋まっている場合は看護師がリハビリの予約表を見て患者さんの初回予約を取る
受け付けでお会計
と言った流れ。「診察室」「リハ室」「医事室」の共有と連携が重要になってきます。
(※立ち上げでは看護師、医事課スタッフが運動器リハビリテーション料や消炎鎮痛処置等、診療報酬制度の知識がない場合もあるので、随時、勉強会を実施していき共有していきました。)
当院では、「予約制」「患者さん一人につき2単位」でリハビリを実施しています。
予約制にすることで天候の影響などによる月の平均実施単位数のムラが少なくなります。
リハビリ室のシステム
当院のリハビリ室は上の図のように2部門に分かれています。柔道整復師・リハ助手部門は受付順番制で実施しています。
PT・OT部門は予約制で柔整部門は受付順番制なので安定して多くの来院者に対応することができ、当日の来院者に対してもリハビリ対応することができます。
運動器リハビリテーションの注意点
算定期限(標準算定日数)があります。
「別に厚生労働大臣が定める患者に対して個別療法であるリハビリテーションを行った場合に、当該基準に係る区分に従って、それぞれ発症、手術若しくは急性増悪又は最初に診断された日から150日以内に限り所定点数を算定する。」
算定上限を迎えた後に継続してリハビリを行う場合には、「1月13単位に限り、算定できるものとする」となっています。
ただし、要介護認定を受けている場合は、150日(算定上限日)以降のリハビリを実施することはできません!
(※平成30年の診療報酬改定から猶予期間を経て要介護認定者の維持期リハビリテーションへの移行は原則不可になりました。)
要介護認定者かどうかの聞き取りはしないといけないですね。
リハビリテーションの期限を超えてリハビリを行っていないか、月の単位数は守られているかをチェックする!
運動器リハビリテーション料と消炎鎮痛等処置は同日算定できない
レセプトでのチェック項目ですが
区分番号J119に掲げる消炎鎮痛等処置(35点)、区分番号J119-2に掲げる腰部又は胸部固定帯固定は(以下中略)、運動器リハビリテーション料の所定点数に含まれるものとする。
同日に消炎鎮痛処置(35点)と運動器リハビリテーションを行っている場合は主たる点数の運動器リハビリテーション料の点数のみ算定します。
また腰部固定または胸部固定と同日に運動器リハビリテーションを行っている場合にも、腰部固定帯または胸部固定帯の同日算定はできません。
立ち上げでは、医事課スタッフも初めてのことが多いので上記のような情報を確認し合いましょう。
運動器リハビリテーションを正しく算定できているか?
運動器リハビリテーションを算定する際には、その疾患が運動器リハビリテーションを算定するための病名として適合しているかが大事です。
ア 急性発症した運動器疾患又はその手術後の患者とは、上・下肢の複合損傷(骨、筋・腱・靭帯、神経、血管のうち3種類以上の複合損傷)、脊椎損傷による四肢麻痺(1肢以上)、体幹・上・下肢の外傷・骨折、切断・離断(義肢)、運動器の悪性腫瘍等のものをいう。
イ 慢性の運動器疾患により、一定程度以上の運動機能及び日常生活能力の低下を来している患者とは、関節の変性疾患、関節の炎症性疾患、熱傷瘢痕による関節拘縮、運動器不安定症、糖尿病足病変等のものをいう。
立ち上げは開業医の先生も初めて直面する事が多いですので、運動器リハビリテーションの対象疾患の病名かを医師と確認しながらすすめていきましょう!
また1人の患者さんに対しセラピスト1名が専従してリハビリする必要があります。
運動器リハビリテーション料を算定すべきリハビリテーションは、1人の従事者が1人の患者に対して重点的に個別的訓練を行う必要があると認められる場合であって、理学療法士又は作業療法士と患者が1対1で行うものとする。
物理療法を併用してる時に患者さんを放置したり、集団リハで一気に運動器リハビリテーション料を算定してしまうと言うことはできませんので注意しましょう。
リハビリ運営に必要な数値管理項目
当院では毎月、院長とスタッフ責任者でミーティングを行っています。
ミーティングでは月の実績等の報告や問題点の共有を行っています。
- 1日の平均単位数
- 月の単位数
- キャンセル率
- 担当患者数
安定したリハビリ運営のために上記のような数値化できる項目に関して報告を行い、目標が達成できているか確認を行っています。
運営面に関してもこう言ったマネジメントができると、リハビリ室の責任者として確かな実績をアピールできます。
確かにマネジメントができれば給与交渉の材料になりますね!
管理職・立ち上げ・オープニング求人を探す方法
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まとめ
理学療法士で年収600万以上を達成するには、平社員で働いていてもなかなか達成することはできないのが実情です。
管理職・オープニング求人でリーダー職につければ年収600万円以上が期待できます。
上記を参考にしていただき、立ち上げのノウハウ✙リーダーシップを発揮して是非、面接でアピールしてみて下さい。
最後に僕自身の話をすると
新卒からクリニックや色々な分野で経験を積んできて、来たるべき時にリハビリ室の立ち上げに携われてとても良かったと思っています。
給与面が良くなったと言う事もありますが、ずっと職場環境で悩んできたので、一から職場環境つくりにも携われて今は非常に伸び伸びと働けています。
こういったチャンスを与えてくれた担当エージェントさんや院長にはとても感謝しています。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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