作業療法士国家試験は、作業療法士の資格を持つために不可欠な試験であり、専門的な知識や技術が十分にあるかどうかを評価します。この試験に合格することは、リハビリの専門家として重要なステップを踏むことを意味します。また、合格率は受験者の準備状況や試験の困難度を示します。
この記事では、2024年3月21日(木)に発表された第59回(2023年度)作業療法士国家試験の最新情報を提供します。合格率、合格の基準、過去の試験の傾向、そして免許の取得申請手続きについても詳しく解説していきます。
作業療法士国家試験の概要
作業療法士国家試験は、年に一度開催され、作業療法士を目指す人々が自身の適性を証明するための最初のステップとなり、受けなければならない必須の試験です。
受験資格は、厚生労働省指定の養成施設を卒業した者が対象となり、試験内容は広範にわたる知識が問われます。
試験日時・合格発表日
試験日:2024年(令和6年)2月18日(日)・19日(月)
合格発表:2024年(令和6年)3月21日(木)午後2時
配点・合格基準
作業療法士国家試験は全200問で出題されます。
試験内訳
・作業療法士・理学療法士共通問題 100問
・作業療法士専門問題 100問
作業療法士国家試験の出題数、配点、合格基準は次のとおりです
出題数 | 配点 | 合格基準 | |
一般問題 | 160問 | 1問1点 | 125点以上 |
実地問題 | 40問 | 1問3点 | 43点以上 |
合計 | 200問 | 280点 | 168点以上 |
受験地と受験番号は、厚生労働省のウェブサイト上の資格・試験情報ページで公開されます。
合格した方には、合格証書が郵便で送付されます。
【2024最新】第59回作業療法士国家試験の合格率
第59回作業療法士国家試験の合格率は84.4%
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
全体 | 5,736人 | 4,840人 | 84.4% |
新卒 | 5,019人 | 4,597人 | 91.6% |
既卒 | 717人 | 243人 | 33.9% |
第59回作業療法士・国家試験合格基準
試験の採点基準が一般問題と実地問題の2部構成あり、合格には次の条件が全て満たされる必要があります。
[作業療法士国家試験]
一般問題を1問1点(160点満点)、実地問題を1問3点(117点満点)とし、次の全てを満たす必要があります。
・総得点 | 167点以上 / 277点 |
・実地問題 | 41点以上 / 117点 |
また、不適切問題数は7問となりました。
(作業療法士専門問題)
午前[7][32]
午後
(共通問題)
午前 [52][53][72][87]
午後 [71]
【OT国家試験】過去5年間の合格基準と合格率の推移
合格者数・合格率
合格ライン
作業療法士国家試験の合格基準は、採点除外される問題によって毎年微妙な変動が見られますが第59回試験も例年、通り約60%で設定されており、合格基準に大きな変更はありませんでした。
合格率や合格ラインの推移が示す影響は確かに広範囲に及びます。
試験の傾向や受験生の学習効率への影響は明らかですが、以下の点でもその影響が顕著です。
試験対策:合格ラインの変動は、受験生がどのように試験対策を行うかに影響を与えます。合格ラインが高く設定されている場合、受験生はより一層の努力を求められ、特定の科目や分野への集中的な対策が必要になる場合があります。
受験生の心理状態:合格率の変化は受験生のモチベーションやストレスレベルに大きく影響します。合格率が低下すると、受験生は不安やプレッシャーを感じる可能性があり、逆に合格率が上昇すると自信を持って試験に臨むことができます。
教育カリキュラム:高等教育機関では、合格率の変動を受けて教育カリキュラムの調整が行われることがあります。例えば、合格率が特定の分野で低下している場合、その分野に焦点を当てた授業や追加の支援が提供されることがあります。教育機関は、学生が試験で成功するために必要な知識とスキルを身に付けられるようにカリキュラムを適宜調整します。
以上のように、合格率や合格ラインの推移は、受験生個人の学習戦略や心理状態から、教育機関のカリキュラム設計、に至るまで、多方面にわたる影響を与えることがあります。
OT国家試験【合格後の免許申請手続き】
免許証が手元に届くまで約2〜3ヶ月かかるため、迅速な手続きが推奨されます。
作業療法士としての業務を行うためには、免許の発行が必要です。免許がない場合、病院はその人を作業療法士として登録できず、その仕事を診療報酬として計上することができません。
免許証が発行されるまでの間、登録済証明書が免許証の代わりとして機能します。この証明書は、申請から1〜2ヶ月後に手元に届くため、免許申請時に同時に申請することが好ましいです。
免許申請書とともに、登録証明書の申請用ハガキを添付して提出する必要があります。これにより、免許証が発行されるまでの期間においても、資格の証明が可能となります。
作業療法士免許申請から免許受取までの流れ
厚生労働省のウェブサイト上の「資格・試験情報ページ」で、受験地と受験番号が掲載されて発表されます。
合格者には合格証書のハガキが郵送されます。
住所地の最寄りの保健所(一部の県については県庁)へ申請する。
※申請に関する詳細事項は下記参照
申請書類が審査され、その結果が承認されると、申請者は厚生労働省が管理する名簿に登録されます。登録済証明書を申請書類に添付して提出した場合、その証明書は申請者本人に対して郵送で交付されます。この証明書は、免許証が手元に届くまでの間、資格を証明する重要な書類となります。
名簿に登録されてから2〜3ヶ月後、厚生労働省によって免許証が発行されます。この免許証は、都道府県庁や保健所を通じて、申請者の手元に送られてきます。この手続きを経ることで、申請者は正式に作業療法士としての業務を開始することが可能になります。
申請先
免許申請の申請手続きについては個人で行うことになっています。
以下の厚労省のサイトの中で理学療法士免許申請を参照してください
申請書類の提出先は、申請者の住所地を管轄する保健所です。ただし、保健所によっては受付窓口となっていない場合もあるため、該当する都道府県のウェブサイトで事前に確認しましょう。
受付時間保健所での業務時間内に受付が行われます。(一部の県では県庁が受付窓口となることもあります)
用意するもの
用意するもの
1.申請書
2.手数料(9000円分の収入印紙)
3.住民票または戸籍抄本
4.診断書
5.登録証明書用はがき
です。
2.収入印紙 9,000円(申請書内に貼付)※外国籍の方や過去に罰金刑以上の刑を受けたことがある人は、別途提出書類が必要です(詳細は厚生労働省のサイトでご確認ください)
3.住民票の写しまたは戸籍の抄本(謄本)(発行日から6ヶ月以内のもの)
5.登録済証明書発行希望の場合のみ必要登録済証明書用はがき(所定の様式)63円切手(速達を希望する場合は、323円分の切手)免許登録後、免許証が手元に届くまで2〜3ヶ月かかることがあります。その間、一部の職場では「登録済証明書」の提出を求められる場合があるため、必要であれば免許申請時に同時に依頼しておくと良いでしょう。
登録済証明書はオンラインまたは保健所などで配布しているはがきで発行の申込みができます。
※また(令和5年)から登録済証明書のオンライン発行が可能となっています。
コメント