女性理学療法士が抱える悩みと解決策は?本当に働きやすい職場とは?

「女性の理学療法士」が働きやすい職場ってどこだろう?

一般的にホワイトな病院・施設であっても、必ずしも女性にとって働きやすい環境であるとは言い切れないですよね。

特に出産を考えている女性にとっては、出産後もキャリアを続けられるか、育児と仕事を両立させやすいかといったポイントは重要です!

そのため、ライフステージの変化に対して柔軟にサポートしてもらえる職場を選ぶ事が重要になります。

この記事では、女性理学療法士に多い悩みとその解決策をお伝えし、いきいきと働きやすい職場の特徴を紹介します。

(この記事は臨床13年の経験があり、2児の子育て中の女性理学療法士が執筆しています。)

目次

女性理学療法士の現状と職場で感じた悩みは?

女性理学療法士が直面する悩みは多岐にわたります。

  • 職場での性別による先入観
  • 仕事と家庭の両立の難しさ
  • プロフェッショナルとしての成長機会の不足

上記以外にも働く上でいろんな悩みあるよね。

女性理学療法士に多い悩み①:職場に女性管理職がいない

多くの女性理学療法士が直面する悩み一つは

「職場に女性管理職がいない」という現実です。

参照資料:日本理学療法士協会:理学療法士の現在

男女比は6:4と言われています。

男女比の割に女性の管理者は圧倒的に少なくない?

女性悩みは男性上司には相談しづらいことが多い現実

しかも年齢若い男性管理者には特に・・・

また、女性管理職の不在は女性理学療法士のキャリア発展におけるロールモデルの欠如を意味します。

また組織内での性別多様性の不足は、意思決定過程における多角的な視点の不足に繋がり、結果的に職場環境の質の低下を招く可能性がありますよね。

女性理学療法士に多い悩み②:職場でのハラスメント

女性理学療法士が職場で遭遇するハラスメントには、性的な言動や行動で嫌がらせを行う『セクハラ』(セクシャルハラスメント)だけでなく、『マタニティハラスメント』や『アルコールハラスメント』といったものもあります。

男性から言われる何気ない一言がすごく精神的なダメージになることがあるよね。

また、ある女性理学療法士が患者さんから不適切な性的コメントを受けたにも関わらず、上司からは「冗談でしょ?」として真剣に取り合われなかったケースがあります。

職場のハラスメントを解決するには、上司に「理解力や対応力」があるって大事ですよね。

女性理学療法士に多い悩み③:生理休暇がない

女性理学療法士の中には生理痛がひどいにもかかわらず、リハビリの仕事を無理して行った経験がある人は少なくないですよね。

生理痛でのリハビリは辛いし、患者さんどころじゃないわ。

一般企業では「女性社員に働きやすい職場作り」ということで生理休暇を導入している会社が徐々に増えていますが

現状、女性理学療法士の就労環境は生理休暇がある職場はほとんどありません。

関連記事:生理休暇制度とは?労働基準法の規定や企業の取り組み事例、導入ポイントを解説

女性理学療法士が働きやすい職場「5つのポイント」

前章の通り、まだまだ女性理学療法士の悩みに向き合った職場はかなり少ない現状です。

そういった中でも女性理学療法士が少しでも働きやすくなるための

「職場選びで着目すべきポイント」があるので解説していきます。

「育児経験のある女性比率が高い職場」は女性理学療法士にとって働きやすい

育児中の女性や育児経験のある女性の比率が高い病院・施設は、女性にとって働きやすい職場である可能性が高いです。

育児と仕事を両立させることは自分自身の体力も重要ですが、それ以上に職場の理解やサポートが大切になります。

同じ境遇の方が多い方が悩みが共有できるし、話やすいよね。


またポイントとして、子育てに支障が出る環境の職場には、育児をしながら働く女性はほとんど残りません。


そのため、育児中や育児経験のある女性が多いかどうかは、女性にとって働きやすい環境であるかを見極める指標となるのです。


特に小さい子供は突然熱を出したり、幼稚園や学校から呼び出しがあったりと、イレギュラーな事態が発生しやすくなります。そのような際に、早退させてもらえたり残業せずに帰らせてもらえたりする職場であれば、安心して育児に取り組めるでしょう。

こういった環境なら、男性の上司や同僚も出産・育児を経験した女性に対する気づかいがあるので女性も仕事しやすくなるはずです。

「管理職に育児経験者がいる職場」は女性理学療法士にとって働きやすい

実は男女にかかわらず、管理職に育児経験者がいることも重要なポイントです。

たとえ、女性が多い職場であっても、育児経験がない女性が多いと、育児世代の悩みが理解されずに無理な勤務をしいられてしまうこともあるでしょう。


その点、管理職や上司が育児を経験していたら

時短勤務や早退に対しての理解してもらいやすいよね。

こういった環境なら、男性の上司や同僚も出産・育児を経験した女性に対する気づかいがあるので、女性も仕事しやよね。

「残業がない・有給が取りやすい職場」は女性理学療法士にとって働きやすい

残業なし・有給を取りやすい病院・施設を選ぶことも重要です。

マンパワーがギリギリの職場は残業が多く、有給も取りにくい傾向になります。

人員が十分に足りているかを見極める必要があります。

チェックポイント

「定時で全員が帰れているか?」
「仕事が慌ただしくバタバタしていないか?」

定時で仕事が終われば、帰宅後の家事や育児のスケジュールも立てやすいでしょう。

また「有給取得がしやすいシステムか?」「有給取得率はどのくらいか?」このような点もポイントです。

2019年4月から、全ての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられましたよね。

関連記事:年5日の年次有給休暇の確実な取得

この法律に職場のシステムがちゃんと追いついていますか?

女性が働きやすい職場は、育児中の女性だけが特別扱いされるのではなく、独身の方や男性にも職場環境が整備され、どのような職員でも気軽に有給が取れているのかというところまでチェックすることをおすすめします。

「産休、育休が取りやすい職場」は女性理学療法士にとって働きやすい

女性が働きやすい職場は、「産休、育休が取りやすい」かは重要です。

柔軟な育児休暇の制度を持つ職場は、出産前後の女性が安心して休暇を取得でき、仕事に復帰する際もスムーズに職場に戻ることができます。

関連記事:産休育休手当とは?支給される条件や申請手続き、受け取り金額の計算方法を解説

実際に産休・育休制度を利用する職員が多い職場は、休暇を取ることに負い目を感じることが少ないため

子育てが落ち着いた段階での仕事復帰もしやすいですよね。

「福利厚生がしっかりしている職場」は女性理学療法士にとって働きやすい

女性が安心して長く働くには、福利厚生も重要な要素のひとつです。

法律で定められている休暇や補助以外の福利厚生に着目し職場選びしよう。

福利厚生一覧
  • 住宅に関する制度(住宅手当、社員寮)
  • 休暇に関する制度( ファミリーケア休暇・バースデー休暇・リフレッシュ休暇)
  • 食事に関する制度(食事補助、社食)
  • 出産や育児に関する制度( 結婚休暇・産前産後通院休暇・時短勤務)
  • 健康に関する制度( 人間ドックの費用を一部負担・医療費の補助)
  • スキルやキャリアアップに関する制度

職員は金銭を受け取れるだけではなく、上記のような福利厚生が充実した職場は結果として、仕事もプライベートも充実につながります。

自分にとって「働きやすい職場」を見つける方法

働きやすさは、一人ひとりの「価値観」「ライフスステージ」によってまったく異なるものです。

ここからは、自分にとって働きやすい職場の見つけ方を紹介していきます。

女性が働きやすい会社には「男女平等型」と「女性優遇型」の2パターンがあります。


「女性優遇型」:育児中の女性は必ず時短勤務にしてくれたり、仕事量を調整してくれたりといったサポートを行ってくれます。

「男女平等型」:はバリバリ働きたいと考える女性に向いています。

まず自分の状況を客観視してどちらのスタイルで行くか決メルのが重要です。

その人の価値観によって「自分は仕事に何を求めるのか」を考えることが重要になります。

自分が仕事やキャリアに何を求めるかを整理して、自分にぴったりな職場を探すことが転職を成功させるコツになります。

女性理学療法士は転職エージェントを使うべき!

これまでにみてきた通り、女性が働きやすい職場は「価値観」「ライフスステージ」変化しチェックポイントも下記のように多くありますよね。

  • 育児経験のある女性比率が高い
  • 管理職に育児経験者がいる
  • 残業がない・有給が取りやすい職場
  • 産休、育休が取りやすい
  • 福利厚生がしっかりしている

これだけの職場情報を一人で探すのは非常に困難です。

転職エージェントは転職サイトや求人サイトと異なり、あなたの希望の転職条件にあった職場をピックアップしてくれます。

さらに、履歴書の書き方や面接対策、入社予定日の調整や給与交渉などを代行してくれるサービスもあります。

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求人内訳PT:17、500件
OT:15、800件
ST:7、140件
PT:20、000件
OT:16、800件
ST:7、400件
非公開PT:13、400件
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「老健」は女性理学療法士にとって働きやすい

介護老人保健施設(以下老健)は介護保険サービスで、在宅復帰を目的としてリハビリを行う施設です。

なぜ女性が老健で働きやすいの?

40代前半(2児の子育て中)女性理学療法士の意見

定時で帰れる確率が高い

老健では定時で仕事が終わる職場が多いです。
理由として、委員会やミーティング、勉強会が少なく、書類業務も病院勤務時代に比べ少ないから、残業する必要がないかな。

ちゃんと転職活動で施設を見るポイントは抑える必要はありますが。病院より給料も高いし、フルタイムで働き子育てするなら老健がおすすめですね。

30代前半(未婚)女性理学療法士の意見

雰囲気が穏やかな職場が多い

病院勤務に疲れた私は老健に転職しました。
理由として、知人PTに「老健は人間関係楽だよ」と誘われたからです。
働いてみるとスタッフの年齢層が40〜50代の方が多く、30代前半が多い病院と比較すると落ち着いた雰囲気のスタッフが多いのが良かったです。
また仕事にもゆとりがあるため、そのような環境が穏やかな雰囲気を作っている要因だと思います。

あと、うちは女性管理者のため、同じ女性の悩みに理解を得やすい職場環境で助かってます。

職場選びの☑️ポイント

✔️介護スタッフや看護師がリハビリに理解がある職場か。
老健スタッフの大半は介護スタッフや看護師です。

「他部署がリハに理解があり、協力的なのか?」仕事をする上で重要です。

✔️管理者が女性ならではの問題に理解があるか?

「クリニック」は女性理学療法士にとって働きやすい

「女性優遇型」or「男女平等型」

どちらのスタイルにも合っているのがクリニック勤務の魅力です。

整形外科クリニックは、運動器疾患の患者さんが中心です。そのため、筋骨格など解剖運動学的な知識や、徒手療法・運動療法の技術のスキルを身につけることができます。

30代前半( 1児子育て中)女性理学療法士の意見

30代前半( 1児子育て中)女性理学療法士の意見

結婚、出産を機に8年働いた病院を退職しました。

数年のブランクがある中で、どの分野で仕事復帰しようか迷いました。

私の仕事復帰にあたり職場に求める条件は

・時短勤務(17:00に退社)可能な職場
・子供の事で急な休みが取れて、有給も自由に取れる
・最初はパートからはじめ、慣れたらフルタイムで働きたい
・病院時代の経験を活かしたい。
・介護ではなく医療のリハビリがしたい

PTOT人材バンクの担当にこの条件を伝えるとクリニックを紹介してくれました。実際に全ての条件がクリアになって満足しています。

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40代前半(2児子育て中)女性理学療法士の意見

病院やクリニックで経験を積みんで後、出産を機に退職しました。末の子が幼稚園の年中のタイミングで仕事復帰を考えました。

クリニックを選んだ理由は時短勤務でも週30時間以上の勤務で常勤になれたからです。

リハビリの仕事も担当・予約制のため自分で予約枠を調整できるため有給取得がしやすい点も良かったです。
心配していた勉強会などは少なく、書類業務も少ないため定時で帰る事ができたているので良かったです。

職場選びの☑️ポイント

✔️残業の有無の確認(業務以外に定期的な勉強会などで残業はないか?)

勉強会をバリバリやるクリニックは子育て世代にはきついかも

年齢層がやや高めの落ち着いた雰囲気のクリニックが良いかもです!


✔️有給は自由に取得できるか?
✔️時短勤務できるか?を確認(募集要項や問い合わせで確認)

「訪問リハビリ」は女性理学療法士にとって働きやすい

在宅医療では、「安心できる」という理由から女性セラピスト希望される利用者さんは多くいます。

女性理学療法士の需要が多いんですね。

30代後半(1児子育て中)女性理学療法士の意見

訪問リハビリのメリットは1日の訪問件数を無理のない範囲で調整することで、家事・育児との両立や扶養内で働きたいという希望などに合わせて勤務できる点はメリットですね!

パートタイム時給は他の分野より高いかもです。

また訪問リハビリは基本的に個人で行う業務が多いので、職場人間関係などで疲弊することは少ないです。
職場の人間関係より利用者さんや家族とのやりとりが大変ですが・・・

職場選びの☑️ポイント

✔️1日の訪問件数を無理ない範囲で調整できるか?

✔️女性に起こりやすい問題に理解がある管理者や上司か?

✔️自分以外に子育て世代が働いているか?

まとめ

女性理学療法士は職場を考える際は、結婚や出産、育児など、女性のライフステージに柔軟に対応できる職場かどうかをチェックしましょう。

また、社内に女性の管理職や育児をしている社員の割合が多い職場は、女性が生き生きと仕事のできる環境が整っているともいえます。

自分に合った環境を見つける自信がない、今の職場に不安を感じている場合は、自分以外の第三者に相談することも大切です。

また、転職エージェントを利用するのもひとつの方法です。職場の環境や女性特有の悩みなど、直接質問したりしにくいことでも女性のキャリアアドバイザーについてもらって相談しましょう。

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