整形外科クリニック勤務の拘束時間って長いのかな?
- 待遇面や特徴を知りたいな・・・
- リハビリの技術面で、私は大丈夫かな?
PTが初めて整形外科クリニックへの就職、転職を考えた時に上記のように疑問が浮かぶ方は多いかと思います。
PTが整形外科クリニックで働くメリット・デメリット知りたい。
こんな整形外科クリニックを選んではダメ!知っておきたい注意点。
給料などの待遇面を知りたい。
一日のスケジュールや残業などを知りたい。
(*当ブログは4回のクリニック転職経験があり、現在はクリニックのリハビリ室責任者兼、採用人事を担当している理学療法士が執筆しています。)
クリニックと病院の違い
医療機関は一般的に「病院」と「クリニック」の2つに分けられます。
病院:複数の診療科と20以上の病床を持つ医療機関のことを指します。
クリニック:病床数が20以下の医療機関を指します。
整形外科クリニックは身近な疾患や外傷、慢性期疾患の診療が中心となり、地域医療のコミュニティーとしての役割を担っています。
整形外科クリニックの対象疾患の一例
整形外科クリニックでのリハビリ対象は、運動器疾患(骨、筋肉、関節、神経などの総称)で小児から高齢者までと、幅広い年齢層の患者さんが来院してくるのが特徴です。
肩関節疾患
肩関節周囲炎、腱板損傷、石灰性滑液包炎
脊柱疾患
腰椎椎間板ヘルニア、急性腰痛、脊柱管狭窄症
下肢疾患
坐骨神経痛、変形性股関節症、変形性膝関節症
スポーツ障害
足部捻挫、野球肘、ジャンパー膝、シンスプリント
部活動に打ち込む学生、プロスポーツ選手が来院することも。
外傷
骨折、肉離れ、交通事故
TKA、THAなどのOPE後の患者さん
病院で手術、リハビリをした後に退院後もリハビリが必要とされる患者さんも整形外科クリニックに来院されます。
理学療法士の整形外科クリニックでの役割
整形外科クリニックにおける理学療法士の役割は、基本的に患者さんを受傷前の身体機能に戻すことを目的として運動療法や、物理療法を実施していきますが、患者さんの症状によって予後は様々なので、正確に状態を評価しリハビリを実施する必要があります。
リハビリの流れ
医師からリハビリの依頼が来ます。術式や画像所見、リハビリの方針などのDr情報を確認します。看護師からは患者さんの状態管理や心理面などの情報収集を行う事もあります。
問診や客観的評価を行い、患者さんの状態を統合・解釈していきます。
患者さんの問題点が浮き彫りになったら、妥当な治療計画を立てていきます。
治療(リハビリ)を患者さんに行い、その効果を検証します。
患者さんのニーズを満たし、受傷前の身体機能に戻すことを念頭に入れながらリハビリを進めていきます。
上記のように整形外科クリニックにおいても、理学療法プロセスを意識してリハビリを実施していきます。
この他にテーピングなどもPTが受け持つクリニックもあります。
理学療法士がクリニックで働くメリット
整形外科クリニックで働くメリットは以下の通りです。
①: 運動器疾患に特化したスキルが身につく。
②: 給料面で他の分野より優遇される事が多い。
③: スポーツ選手にかかわることができる。
④: 書類業務などの雑務が少ない
⑤: 休日固定で長期休みもしっかりとれる
クリニックのメリット① 運動器疾患に特化したスキルが身につく
整形外科クリニックに来院されるのは運動器疾患の患者さんが中心なので
運動器に特化したリハビリスキルを身につけることができます。
解剖学、運動学の知識
動作分析能力
徒手療法の技術
運動療法の技術
クリニックのメリット② 給料面で他の分野より優遇される事が多い
一般的に病院勤務の場合は定期昇給で勤務年数によって昇給額が決められていますが、クリニック定期昇給に加え、売り上げや個人の実績が反映されることが多くあります。
そのため、病院勤務よりクリニックの給料相場は高くなることが多いです。
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クリニックのメリット③ スポーツ選手にかかわることができる
部活やスポーツで怪我をした人もよく整形外科クリニックに来院します。
クリニックによってはプロスポーツ選手が来院することもありますよ。
クリニックのメリット④ 書類業務などの雑務が少ない
クリニック勤務は病院勤務より書類業務がかなり少ないため、リハビリに集中して取り組めるのも大きなメリットです。
基本的には「リハビリテーション実施計画書」「特定疾患管理シート」の作成くらいなものです。
クリニックのメリット④ 休日固定で長期休みもしっかりとれる
中には週休2.5日のところも
例
木曜日・土曜日午後・日曜日
休日がしっかり取れるクリニックはワークライフバランスが充実できそう。
理学療法士がクリニックで働くデメリット
①クリニックのデメリット 幅広い疾患を診たい方にはおすすめできない
なぜなら、対象が運動器疾患中心となるので、脳血管障害や呼吸器疾患といった分野に関わることがほとんどありません。
幅広く多様な疾患のリハビリを経験したいと考えている方には、おすすめできません。
②クリニックのデメリット 拘束時間が長くなる職場も多い
基本的に一般の職場は9時-17時の勤務になりますがクリニックの場合、会社帰りのサラリーマンなど17時以降に通院したいという患者さんを受けいれるための就業時間になっているところが多いです。
外来の込み状況によっては残業になる場合もありますので、終業時間を気にする方は事前に確認しましょう。
理学療法士の整形学科クリニックでの仕事 Q&A
クリニックの仕事の特徴について解説していきます♪
Q1:クリニックに来院する患者さんの特徴は?
Anser
整形外科クリニックに来院される患者さんは、基本的には自分で通院が可能な外来患者さんが中心です。
小児から高齢者まで、対応となる患者層は幅広いです。
対象となる疾患は「運動器疾患全般」となります。
Q2:クリニックは一日何人くらいリハビリしますか?
Anser
1人に対し1単位でリハビリを行っているクリニックは1日20人前後の患者さんを対応になり
1人に対し2単位でリハビリを行っているクリニックは1日10人前後患者さん対応になります。
1人1単位のところは忙しいです!
初回のリハビリ説明や計画書のお渡しなど含めると1単位は短すぎます。
施設見学をした時に1日の対応人数などは聞いておきましょう。
Q3:クリニックでの患者対応に自信がもてません。どうしたらいいですか?
「クリニックは結果や治療テクニックが求められるの?」と良く聞かれます。
Anser
いい反応⇒仮説がある程度合ってたんだなーこの方針でいってみよう。
変化なし⇒もう少し違う評価してみようかな。
Q4:クリニック勤務の拘束時間はどれくいですか?
クリニック勤務の1日のスケジュールってどんな感じかな?
クリニックによって多少違いますが、おおむね上記のような1日のスケジュールです。
Q5:クリニックは昼休みが長いですが、何をしてますか?
Anser
クリニックの社風によって昼休みの過ごし方は変わってきますが、勉強の時間にしたり散歩やトレーニングをしている方もいるようです。近隣に住んでいる方は昼休みに帰宅し、家の用事を済ましてから午後の診療前に戻ってくる方もいます。
長めの昼休みをいかに上手く使う事が重要ですね。
Q6:帰宅時間が遅くなるのがネックです。どうにかなりませんか?
昼休みが長い分、午後の診療終了が遅くなるのもクリニック勤務の特徴です。
Anser
施設の就業規則によっては週30時間以上の勤務で常勤(社会保障を受ける事ができる)として働く事ができます。
例1)1日7時間(就業終了を1時間早める)×週5日出勤
例2)1日8時間×週4日出勤
このように、勤務時間を調整できるクリニックも増えてきています。
Q7:クリニックは残業は多いですか?
Anser
- 来院数が多いクリニック
(来院数が非常に多く診察希望の患者さんが多いクリニックでは、就業終了時間を押して新患がリハビリに回ってくる事もあります。この場合は残業になってしまいます。) - 就業時間外に定期的に勉強会を行っているクリニック
(ストイックなクリックでは就業時間後に院内勉強会を行っているところもあります。その場合は帰宅時間が遅くなる事も多いので事前に確認しておきましょう。)
残業の有無などは事前に確認しましょう。
Q8:クリニック勤務の理学療法士の待遇は院長次第って本当?
ANSER
総合病院では院長と直接話す機会はほとんどありませんが、クリニックでは毎日のように話す機会があります。
直接話す機会が多いので年収の交渉を比較的にしやすいのは利点です。
その反面、院長との関係がぎくしゃくすると働きづらくなり関係が悪化したことで、退職したすることになったという話も聞くことがあります。
転職前にはクリニックの院長がどういった人なのか、情報を入手することはいい職場を見つける秘訣です。
- 知り合いが働いていれば事前に院長の「人となり」を聞いておく
- クリニックのホームページがあれば院長の経歴を調べておく
- 転職エージェントに相談してみる
- Googleの口コミで患者さんの評価を見てみる
- 一応、SNSなどの投稿を確認してみる
クリニックの院長の経歴を調べておく
転職の事前情報としてクリニックのホームページを確認してみましょう。
ホームページには院内の情報の他に院長の経歴が載っている事が多いです。
チェックポイントは「経歴」「略歴」「資格」です。
経歴、略歴はその先生がどう言った事を専門に勉強してきたかを知るきっかけになります。
専門分野へのこだわりは必ず仕事に出てくるので知っておいてもいいかもしれないですね。
よく受け付けに額縁入りで認定証が飾られてありますよね。
稀に整形外科専門医ではない医師がクリニックを開業している場合があります。
処置や診断が適格でない医師の下で働くのは大変そうだな・・・
結局そのツケはリハに回ってきますので・・・
転職エージェントに相談してみる。
自分ひとりで情報収集するのも限界があるよな。
そう言った時は一人で悩まずに転職エージェントに相談してみましょう。第三者の客観的な意見は参考になりますよね。
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連絡方法 | 電話 メール LINE | 電話 メール LINE | 電話 メール LINE | 電話 メール LINE | 電話 メール LINE |
エリア | 全国 | 全国 | 東京・神奈川・千葉 埼玉・大阪 | 全国 | 全国 |
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Googleの口コミで患者さんの評価を見てみる
- 病院名
- 点数(5点満点)
- 口コミの書き込み
- マップ
口コミでどのような評価を受けているか知っておくことも入職後のトラブル回避に必要な情報です!
リアルな口コミが書いてある場合も多いので、院長やスタッフの人となりを知る事ができるかもしれません。
施設見学の際に院長と実際に話をしてみる
クリニックの場合、施設見学の際に院長とお話できる機会がある時もあります。
実際にお会いすることで、印象が明確になりそうだ。
また事前見学の際にスタッフに院長の事を聞いてみるのも良いかもしれません。
実際に働いてみると、院長の第一印象は変わってしまうかもしれませんが、事前情報として知っておいて損はないかと思います。
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まとめ
今回はクリニック勤務についての特徴や疑問にお答えする記事を書いてみました。
クリニックへの転職で悩んでいる方に参考になったら嬉しいです。
また、「働きやすい職場」「安心して働ける職場」に転職するために事前情報を集める判断材料にしていただけたら嬉しいです。
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